スポンサードリンク

筑波大学附属坂戸高等学校演劇部 2020年度 新人研究公演 劇「シアワセの鏡」


スポンサードリンク

おつかれさまです。

YouTubeにて 

なにせこのご時世なもんですから、あたくし観劇というものからすっかり遠ざかっておりましたが筑波大学附属坂戸高等学校演劇部(以下、筑坂演劇部)さんが貴重な映像を限定公開してくださったので、オンラインで鑑賞させていただいたような次第でございます。

 

劇以外にも 

あたくし筑坂演劇部さんの公演はお邪魔したことがないので存じ上げないのですけれど今回、劇以外にもコントとダンス、あとインタビューがあって約60分の公演でございました。自主公演だといつもそういった感じのメニューなのかしらね。

 

劇の上演時間は30分ほどなので物語はサクサク進みます。そんなもんでオンラインでも一気に鑑賞できるかと思います。このあたりはもしかしたら映像として公開することも前提で作品を選ばれたのかな。

 

客席にいるのとオンラインでだと観ている側の集中力ってのが変わってくる、客側はついつい油断してしまうのでw上演時間としてはちょうどいい塩梅かもしれないわ。

 

あとYouTubeってスマホとかモバイル端末で観ている方が多いでしょうけど、できればパソコンでの鑑賞を推奨したいところね。というのもカメラは基本的に舞台全体を固定で撮影している感じなので客席気分wとしては大画面がおすすめ。画質も1080pまで対応しております。

 

Twitterから直接だとわからないけれどYouTubeで画面を開くと動画概要欄にはパンフレットとアンケートもありますよ。

劇について 

息苦しい現実世界と、それとは正反対の理想の世界=鏡の世界でのお話です。現実世界における他者に対する冷酷な感じっていうのかな。子供が虫を殺しても平気な顔をしていられるように、劇中の高校生たちも「痛み」というものに対して鈍感。

 

まぁ鈍感っていうか世界の中心がまだまだ自分だと思っていられるから冷徹になることができるっていうのかな。で、大人になると平気で人の気持ちを傷つけてきた自分に対する嫌悪があるから、学生時代のそういう場面は劇とはいえヒリヒリするというか。

 

筑坂演劇部さんの今回の舞台で、そういう場面があんまりわざとらしくない、変な言い方だけど自然な感じに見えるのは、良いなと思いました。誤解を恐れずに書いてしまうと人間の本質ってのは案外その人のイヤな部分だったりするからwそこが不自然に見えないというのはきちんと演出されているのだなと感じた次第でございます。

 

別の言い方すると鏡の世界のなかで仲良くしているシーンがわざとらしいというか(失礼!)。もしかすると演出の意図として現実世界を重く、鏡の世界を絵空事として軽くっていうのがあったのかもしれないわね。

あっさり 

何があっさりかっていうとあくまで劇中の話なんですけどシアワセな鏡の世界から現実世界に戻ってくるのがね、結構あっさり。

 

「夢ならさめてくれ」

 

っていうのと同じくらい

 

「夢ならさめないで」

 

ってあるじゃない?!だからずいぶんあっさり戻ってくるわね!ってのがあって尺の都合でそういう演出なのかなとも思ったんだけど、少し気になってネットで元の脚本も検索して読んでみたのね。そうしたらまぁオリジナルも結構あっさりしているのからwそのあたりの主義主張の解釈はオーディエンスにお任せって感じなのかしらね。

 

鏡像ってのは見えてる世界が反転しているわけだけど自分自身が本当の意味で変わったわけではないからねぇ。他人を変えることはできない、変えられるのは自分だけって気がついたから戻ってきたんでしょうね。

 

あとやっぱり声をかけてくれたからというか自分一人だったら戻ってくる気にはなかなかならないかもしれないわね。やっぱり人間って誰かいてくれないと生きていけないからねぇ。。。なんてしみじみしちゃうわ。

 

こんなご時世ではあるけれど、このあたりはもっと演出の方の主義主張が灰皿飛んでくるくらいの熱さでゴリゴリと前面に出てきても良かったかもしれない。

コントについて 

あぁなんというかこの一本目のコントはあたくしの会社を思い出しました。いやほんとうに思い出しました。なんというかね。仕事のために仕事作ってるみたいなところあるんですよ。

 

で、なんとなくみんなそれはおかしいと思っているんだけど、あまりに隷属的(失礼!)というか「おかしいと思うことがおかしい」みたいな笑えない笑い話になっちゃってるのよね。まぁそういう意味でちょっとブラックな味わいでございました。

 

二本目も似たような感じかな。三本目のコントに関してはあまりにハイブロウなギャグセンスでちょっとついていけませんでした、はい。

ダンスについて 

ドルヲタでもあるあたくしからするとダンスに関してはもっとヌルヌルもしくはサクサクじゃないとどうかと思いましたがよく考えますとこのご時世、あんまりバキバキに踊っているのもおかしいので、こういうハイソサエティなノリで正しいのかもしれないわね。

気になったところ 

気になったというか撮影は生徒さんのiphoneとかスマホなのか学校だから元々記録映像用のカメラとかあるのかしらね。音がわりときれいに収録されているので良いわよね。

 

映像も一発撮りの撮って出しに近いものなのかしらん。これもむずかしくて、通常客席のオーディエンスというのは自分の観たいところを勝手に観て脳内で補完しているから、映像化した時にバリバリに編集していると、結局それは「加工した人が観たい映像」に仕上がるわけで、こういうプレーンな状態で公開したものとどちらがいいのかってのはあるわよねぇ。

おしまいに 

舞台というものは客席の熱視線と演者の芝居のやりとりでヒートしていく、それが生ものの良さであり楽しさなんだけども今回、そういったことを抜きにしての公演ということで筑坂演劇部さんのみなさんもテンションの持っていき方が難しかったと思います。

 

お稽古もオンラインでのものが多かったようですし今までのやり方が通用しないことで戸惑いもあったのではないでしょうか。

 

あたくしのような通りすがりのオネェとしましては、このような状況下で作品として完成させる筑坂演劇部さんの強い意思、制作環境そして一般に公開してくださる懐の深さに感謝でございます。

 

やはり学校によってできることとできないことというのがあるでしょうしね。今後公演があったとしても一般来場というのは難しいと思いますので、今回のような企画は本当にありがたいことでございます、はい。


スポンサードリンク