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埼玉県立新座柳瀬高校演劇部 感謝祭公演 『 [hénri]! 』関東ver.の魅力について語りたい


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おつかれさまです。

本日は校内公演なのです

進化し続ける新座柳瀬高校演劇部さんの感謝祭公演ということで本丸、埼玉県立新座柳瀬高等学校にお邪魔してきたわよ。

アクセス

niizayanase-h.spec.ed.jp

あたくしは東武東上線柳瀬川駅から徒歩で向かいましたが桜の季節なら柳瀬川沿いのルートがおすすめ。河原で花見をしていらっしゃる方も多数でございます。近道もあるのですけれどそちらは土地勘のない方は要注意よ。柳瀬川駅前から広がる景色は都市計画されたニュータウン。このあたり一帯が大規模集合住宅群で非常に似た建築物、団地が連なり「ここはどこー?!」状態になりがちw。

 

柳瀬川駅下車は〇十年ぶりかしらね。あたくしの若いころはこのあたりはザキタのシマ=新座北高校の縄張り、といいますかこの近くにお友達が何人かいたので懐かしい限りです、はい。駅前のスーパー、サミットもお友達が悪さをして連行された甘酸っぱい思い出の場所でもあります。

 

まぁ今日はシマというより組事務所いや本丸ということで校舎にお邪魔しますので大変緊張しております。(ご存じない方もいらっしゃると思いますが新座柳瀬高校の前身が新座北高校と所沢東高校でございます)柳瀬川沿いか近道か迷いましたが今回は柳瀬川駅から団地群を抜け徒歩20分くらい新座柳瀬高校に到着いたしました。

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綺麗な学校でした!

 

公演予約時に会場までの案内メールもいただけるのでひとりオネェのあたくしも安心して校門をくぐることができます。こちらの学校は外部からの来校者が多いのか校門を入ってすぐに校内の案内図があります。西村監督でしたら「ナイスですねぇ~」とおっしゃってることと思います。学校の中だとグーグルマップ使えないからね。

 

そういえば帰りに気がついたのですけれど自転車置き場の近くにある掲示板といいますかそちらに台風の影響で中止になった文化祭のポスターが掲示してあってグッときましたわね。深い意味はないのかもしれないけれどポスターの日焼け加減がね「あの日を忘れない」的な、ちょっと映画のワンシーンというと考え過ぎかしらん。

 

幻となった演劇部さんの文化祭公演なんかのことも脳裏を過りました、はい。今日は文化祭で予定されていた演劇部グッズ販売もあるそうなのでそちらも楽しみでございます。 

 

日曜日の昼は空っぽの校舎

誰もいない校舎の異世界観。日曜日ということもあって校舎に入ると何方もいらっしゃらない。想像以上に静か。歩いているだけで不審者扱いされそうな感じw。本当に会場である教室に辿り着くまで何方にも会わないので見知らぬ世界に迷い込んでしまったようです。

 

実際には校舎に入る前から演劇部公演の会場まで要所要所に矢印の描かれた案内板があるので迷うことはないのです。会場は5階の多目的室。事前予約制ですので入口で顧問の先生に受付していただいた後、入場。なかは学校の教室というより小劇場の空間。照明がセピア調で間近にある舞台セットと相俟って幕が上がる前から [hénri]!の世界に誘われる仕様。

 

入口右手には今までの公演のパンフレットやポストカードがあり「ご自由にお持ちください」とのこと。あたくしのように最近こちらの演劇部さんのファンといいますかヲタになった人間にはありがたいプレゼントでございます。1枚ずつビニールで包装されていてとても綺麗です。

 

本日お席の方は自由席でございます。

最前列が空いておりましたがあまりにもステージに近すぎるので最後列におりました。とはいっても客席は2列しかございませんでしたのでやはりとても近いのであります。

幕が上がる

今日は新座柳瀬高校演劇部さんにとってホームということもあり多少の時間の余裕があるのかもしれませんが前回の中央発表会のオープンニングとはまた演出が変わっていたのか捲し立てるような台詞回しではなく、それぞれのキャラクターの人となりが初見の方にもストレートに伝わることを試みた、そんな印象を受けました。

 

客席と舞台がとても近いので演者の皆様はまるで飛び出す絵本のキャラクターのよう。大きなステージではないのでオーバーなアクションではなくひとつひとつ丁寧な動き、演技を心がけていたように思いました。細かい部分もきちっと仕上げていかないとこういう小さいステージだと客席に綻びが見えてしまったりするので演者の生徒さんたちも非常にプレッシャーというか意識を集中されていたのではないかしらね。

観る度に変わる印象もナマモノゆえ

あたくしのなかで観る度に新たな解釈が生まれるのですけれど、それも演劇という生の舞台ゆえのことと思います。

 

今回の舞台で描こうとしているのは「終わり」ではなく「始まり」。「パーティー襤褸が出たらどうしよう」とピアスさんとピカリング大佐が心配していたけれどヒギンズ先生とフレディは逆に心配ではなくむしろどこか「偽っていないありのままの姿」を受け入れようとしているように見えました。

 

イライザの発音を矯正することを目的に始めたレッスン。上流の彼らにとって彼女のレッスンの成果は賭けの対象であったけれど、辿り着いた答えはそこがゴールではなくそこからが始まり。賭け事でレッスンを始めたヒギンズ先生やピカリング大佐、フレディにとってイライザが訛りを直し流暢に話せるようになることがゴールだったのだけれどイライザ自身は初めから、その先のこと、そこからが始まりだっていうことがわかっていたのよね。

 

そしてヒギンズ先生とフレディもそのことにやっと気がつく、ここからが自分たちの始まりだということに。だから二人は「パーティー襤褸が出たら」という心配をしていない。ゴールじゃなくてスタートなんだから。今日、うまくいかなくてもまた愚直に積み重ねていったらいいじゃないっていうね。それって不器用さを認めた上での強さっていうのかしらね。

 

生きる上での図太さ。タフな直向きさ。上流の育ちでいつの間にかうまく振舞うことに重きをおいていた彼らがイライザの良い意味でのそういった泥臭さに教えられたというか。イライザのそういうところに自分たちのなかになかった輝きというのかしらね。そういうものを見つけてしまった。そこに惹かれてしまったんじゃないかしらなんて思っているのよねあたくし。

今回の気になるキャスト 

今回あたくしがとても気になったキャストはピアスさん。立ち位置としては上流階級であるヒギンズ先生の側なんですけどもそこはやはりメイド、使用人という立場からすると彼女自身も実は上流階級出身のヒギンズ先生たちに少々思うところがあるのかイライザに対して時折とても優しい接し方をしているのよね。直向きでめげない努力家であるイライザの人間性、人となりにいつからか同情や哀れみではなく敬意を抱くようになっていたんじゃないかしらね。

 

だからこそのエンディングでの襤褸の心配につながってくると思うのよね。いつからか姉的な目線でイライザのことを見守るようになっていたのよね、きっと。脇でありながら実は難しい役だと思うのだけれど演じていた生徒さんも厳しさと優しさを上手く使い分けていたように感じました。

素敵な舞台をありがとうございます。

舞台上の物語としては「終わり」という場面でも彼らの物語は終わることなくむしろ「始まり」というね。

 

新座柳瀬高校演劇部さんの舞台が素敵なのは「ここから」=「未来」をね、感じさせてくれるからなんだと思うんですよね。で、大げさに申しますとそれって人が生きていく、人生で大切なことっていつでもどこでも「ここから」。未来に対する期待や希望じゃない?それだけが人生という未知の世界を照らす灯だからこそ未来を感じさせてくれることに対してあたくしたちは拍手を惜しまないのよね。

 

なんて訳の分からないことを考えながら演劇部のかわいいグッズを購入後、多目的室を後にした次第でございます。

校内公演はお見送りもあります。 

さて終演後、出演者のみなさまによるお見送りがあります。先ほどまでステージにいらっしゃったみなさんはとても眩しいのであります。ステージで全員横一列にならんで「本日はご来場ありがとうございました!」ってのは大好きなんです。でもステージにいた方と同じ地平で通路で見送られてしまうのは何故か大変心苦しく感じてしまいます。

 

演者とヲタの間には深くて暗い河があると申しましょうかwやっぱりステージに立つ方というのはその瞬間まで積み上げてきたものを見せてくれているわけで、座ったまま口を半開きで鑑賞しているあたくし等とは次元が違うっていうのがヲタとしての心得というかステージに立つすべての方へのリスペクトなのよね。そんなもんでお見送りされると大変恐縮といいますか肩身が狭い思いでございます。

 

あ、そういえばあたくしいい歳して手ぶらでお邪魔してごめんなさいね。申し訳ない気持ちでいっぱいです。 

最後にやらかしてしまいました

さて帰り途中。やってしまいました。素敵な舞台をみたあとでぼーっとしていたんでしょうねぇ。すっかり油断しておりました。来校時ご案内いただいたように教職員用の玄関から校舎に入ったのですが実はそこは校門からだと階段を上がった2階になっております。

 

あたくしそのことをすっかり失念いたしまして5階の多目的室から1階まで階段を下りてしまい角を曲がったらあるはずの玄関がなく「ここはどこー?!」とかなり動揺してしまいました、はい。正直「しまった!何故か学校に閉じ込められた!!」と思ったわよ。wほんとに歳はとりたくないわね。我ながら耄碌しすぎでございます。

 

というわけで新座柳瀬高校演劇部さん、第55回関東高等学校演劇研究大会(茅野会場)でも素敵な物語を演じてくださることと思います。

 

 

siro-touch.hatenablog.com

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