おつかれさまです。
これは
令和最高傑作爆誕ですよ。とか言うと「俺、ちょっと違うんで(何が?!)」的な風を吹かすことができそうな、そんな映画かなと。
白状すると
一瞬。本当に一瞬ですが鑑賞中に眠ってしまいました。寝るのにちょうどいい!って感じの映画でもないし何なんだろうなって思います。今回は上映中にしれっと寝てしまう、そんなダメ人間の感想(ネタバレなし)です、はい。
途中で眠ってしまう「狂騒」のミュージカル・アニメーションって何だよ?って考えることが今回は真面目に?感想を語ることになるのかなと。
これに尽きる
いきなりこれに尽きるとか言い切っちゃいますけど、この映画
「絵面が汚い」
これに尽きます。個人の好みとかもあるとは思いますけど世界はもう少し美しいのではないのかな、と。
女子高生が不思議な力で奇跡を起こして世界が変わっちゃうみたいなね。そんなのこの「犬王」では誰も期待していないし、それでいいはずなんだけども。それにしても
「絵面が汚い」
これに尽きます。もうちょっとキラキラしていても良いと思う。「画が汚い」のではなくて「絵面が汚い」。つまりは演出、意図したもの。だけどそれ故に好みがハッキリとわかれるといいますか。「絵面の汚さ」が押しつけがましいといったら言い過ぎかしらん。ギラギラしているっていうのとも違うんだよね。
予告編を観た時はそんなに感じなかったんですけども、実際本編を鑑賞してみますと
「世界はこうも汚いものなのか」
という。悪意が渦巻いているとかね、不穏な空気が漂っているってことじゃなくて単純に「絵面が汚い」。
当時の群衆、街並みを「総天然色」で再現するとこうだろう的なことなのかなぁ。それにしても清潔感がなさすぎる。おっさんが不可思議な演目で大衆を熱狂させることがこんなに小汚いとは思いませんでしたw。やる方も見る方もルンペンの集まりというか。
見た目はともかく中身は
ネタバレになるのであんまり書けないんですけども、まとめたら正味30分ですむ話を100分ちかくやっているんだから間延び中弛み上等といいますか。
ミュージカルってのはそういうものかもしれないけれど、そこを飽きさせず退屈させないのが音楽の力だと思うんだよね。
「犬王」に関しては劇中のミュージカルシーン、ライブパフォーマンスが非常に退屈に感じられる。スクリーンの向こう側だけで勝手に盛り上がっているんじゃねぇと言いたくなる。
とくに友魚のパフォーマンスは退屈。当時の人々にとっては前衛的、斬新な音のパフォーマンスだったとしても今現在のあたくしたちにとってはスタンダードのひとつになってしまっているわけだから、それが特別なものとして響いてくるかというとちょっと難しいわね。
で、アニメだからどんなパフォーマンスも描くことができるわけじゃない?!なのにインディーズバンドの路上ライブ、いや実際そうなんだけどwそのレベルのパフォーマンス、そしてありきたりなカメラワークをスクリーンで観させられてもねっていう。
まぁ生まれながらにして特別な存在だった犬王に対して友魚は所詮ただの人というか同じ障碍者でもセンスの違い、才能の有無の対比としてっていうなら退屈なライブもわからんでもないって感じなのかな。
この映画は
内容云々以前にスタッフクレジットが好きな真面目なアニヲタが好きそうな映画といいいますか。
「監督〇〇、脚本△△、キャラクター✕✕、音楽☆☆」
もうこういうのですよ。名義先行。アンテナをビンビンに伸ばしている先輩諸兄からすると
「大切なことなので」
って感じなんでしょうけども、あたくしみたいなたまたま通りすがりの観客からするとどうでもいい話(失礼!)で誰が作ったかなんてあんまり気にしてないわよね。
でも公式サイトのトップにそれがきてるあたりにブランド志向といいますか
「俺はわかっている感」
を大切にしている方に届けたい、届いてくれたら「それでいいですよ」って感じがプンプンしているのがね。。。
で、音楽
ミュージカルなんてキャッチコピーだから当然ハードル上げてしまっているわけですが印象としたらね、始終騒いでいるだけみたいな印象。楽曲はもっとバリエーションに富んでいてもいいような。熱量は感じるんだけど、わりと退屈(失礼!)。
琵琶だけでしんみりと聴かせる歌があってもよかったのにね。しかも20分くらい独唱で。え?!そっちの方が途中で飽きるって?!いやそれこそが音楽の力を試されているんじゃないかしらね。
変なプログレかぶれのロックよりのポップスとかで絵面も汚いとか流石に
「見届けようぜ」
と言われても見届ける気にはならない。犬王と友魚の「生き様がロック」なのにかけてサウンドもロックよりにしてるのかしらん。でも言うほど破天荒でもなくてね。。。
で、家帰って
拙宅に帰宅後サブスクで配信しているサウンドトラックを聴いてみたら、これが案外良いんですよw映画館で観る(聴く)より良い。これは寧ろ画がないほうが良いまであります。
まぁ演者の方も本職琵琶法師じゃないんだから、よく考えるとロックがやりたかったのか、それしか選択肢がなかったのかって話だよね。
そうじゃなくて客がついてこれるかこれないかで「音」を選んでいたんなら馬鹿にし過ぎというか、そりゃ作り手の名前をいちばん最初に持ってくるわって感じ。
え~総評
「誰が作ったか」じゃなくて「何を作ったか」という意味では「???」な作品。「なんか色々難しいことやっているんだろうな」ってのは伝わってくるんだけどアニメーション作品としてガツンと来るものがあるのかといえばやはり絵面の汚さが第一だったかな(失礼!)。
でも作品についてブツブツ言いたくなるからw何かしら心に残るものを見せてはいるんだろうね。あとは劇中の群衆の熱狂ぶりとスクリーンのこちら側との温度差がね。気になるかな。
物語としては
「いいから話を先に進めろよ」
っていうのもあったね。感情表現として感極まってミュージカル的に突然歌いだしたりするのではなくて、職業としてのパフォーマンス、公演なので興味ないミュージシャンのMV垂れ流しを延々と観させられているようなと言ったらあんまりかしらん。
まぁこの映画を観て
「明日からまた頑張るぞ!」
ってな気分にもならないし。1900円払って腕組みしながら
「う~ん」
って首を傾げたい時には良いと思うんだけどね。こういうハイブロウなユーモアセンスはちょっと理解しかねますね、はい。まぁ落ち着くところとしては好みの問題になっちゃいます。
色々書きましたけど
「この映画を観て損した、他の作品を観れば良かった」
とかそういうのはないよ。時間とお金が許せば「もう1回」もありです。どんな映画でも2回目観ると印象変わるしね。ただスカッとした気分になるwとかそういうんじゃないからね。
たぶん原作とはかなりノリが違うんだと思います。。。