おつかれさまです。
アニメじゃない
そうなんですよ、今回はアニメ化されたわけではなくて実写化。まぁあたくし例によって例のごとくで原作未読。しかもアニメじゃないのに何で観てきたんだって話なんですけども、さほど想い入れもないままにどうしちゃったの実写映画鑑賞とかっていうね(来場者特典目当てじゃないよ)。
いやだからこれを貰いに劇場に向かったわけじゃないわよ。
たまには実写映画でも
まぁ今回は感想というか雑談というか。「〇〇監督独特の映像美」なんて売り文句を真に受けて、劇場を覗いてきた次第であります、はい。
あぁ確かに
映像はね、確かに〇〇監督っぽいですよ。いやっぽいっていうかご本人なんだからまんま〇〇監督テイストなんだけどw
監督名を伏字にする意味は特にないんですけども、監督で鑑賞作品を選んだりすると映画通っぽくていやらしいじゃない?!え?そんなことない?!
で、「耽美で妖艶」って言っちゃうとありきたりに聞こえますけどやっぱり独特の世界観というのはね、確かにそこにあります。言ってみたら大阪の飛田新地のような日常とは異なる別世界感もありますよ。
ただね、場末の映画館のスクリーンせいか予算のせいかわからないんですが、スクリーンの向こう側に耽美な作品世界が広がっているというよりは、スクリーンのサイズに収まっちゃっているというかね。立体感がないんだよね。奥行きがない。ベタっとしてる。
もっと言っちゃうと妖艶というより厚化粧のコスプレイヤー大集合的な(大変失礼)。まぁ実写化っていうのは多かれ少なかれそういうところありますんで、原作ファンの方もね、大目に見てくれるんじゃないかしらん。まぁ映画なのに観るじゃなくて見るなんですけどw
そんな出来なの?!
いやそんなことはないんですよ。まぁ入場口でもらった原作者CLAMP先生描き下ろしイラストのシュッ!とした感じと比べると若干肉厚いやコント寄りって言うんですか。小劇団のアングラテイストを取り込んでみましたが如何でしょうか?!的な。
毒々しかったり艶やかでありながら何処かざらついた映像の味わいとオーバーアレンジっぽい各キャラクターのメイクや演技の掛け算が壮絶な勢いで2022年令和の黄金週間に花開いちゃっているんですよ、マジで。
原作未読で入場者プレゼントのイラストでしか登場人物を知らないあたくしですらそんな印象を受けていたくらいだから正直な話、原作ファンの方からしたら2時間のコント映画的な趣だったんじゃないのかしらね。
2.5次元
まぁ3次元よりの2.5次元ってのは原作ファンというか原作の絵が好きな人からすると多少はね、お笑いの要素ってあると思うんですよ、真剣にやればやるほど
「いい大人がパツキン(=金髪)のヅラ(=かつら)かぶってなにやってんだ?!」
とかね。2次元を3次元にするってのは本当に難しいわよね。往々にして登場人物全員老け過ぎになっちゃうしね。
話を元に戻そう
で、何の話でしたっけ?!まぁ戻すほど中身のある話もしてなかったような気がいたしますが、え~とあぁ「アニメじゃない」っていうね。実写化するっていうのはある意味アニメ化するよりも遥かに難しい。あえてその茨の道を選んだ結果はどうだったかなぁと。
予告編だけ観ると結構真面目にやっているのかなと思うんですけども、本編を観るとね、あえてスクリーンのなかのできごとに封じ込めているのか、そのスケールの小ささに逆に驚愕的な。
続編前提の「始まりの物語」なんだけども何も始まっていく感じはしない(失礼)。ラストシーン、その瞬間のための前振りの2時間なんだけども、作品のこれからにワクワクドキドキできない。
この「意識高すぎ!高杉くん」じゃないけどなんというか閉じてるんだよね。
「うちらの意識の高さ。わかるかな~わかんねぇだろうなぁ~」
と。見せたい世界がそこにあるのはわかるけどオーディエンスが見たい世界とは違う。送り手のロマンティシズムが自己満足で終わってエンターテインメントになっていない。「妖」について何であるのかご想像にお任せしたまま一方的に見せたいシーンを紡いでいくだけのフィルム。誰得なのっていうね(失礼)。
こういうのが観たかったんだけどね
この緊張感、そして世界観。何よりちゃんとエンターテインメントしている。漫画の実写化だけれどもそんなの関係なくエンターテインメントしている。これ大事。
実写化っていうのは2次元を3次元に置き換えるための原作キャラコスプレ物まねコントショーじゃなくてね。極端な話、名前だけ借りて新しい世界を作るぐらいの気概が必要なわけで今作は〇〇監督の世界観を当てにし過ぎて結局映像だけになってしまっているような気がするのよね。
まぁあたくし原作未読だから実写化云々に関しては偉そうなこと全然言えないんですけどw
え~総評
来場者プレゼントから察するに原作ヲタの方を当て込んだ作品なんでしょうけども、原作未読のあたくしからするとこれは令和の特撮ものですよ。やたら登場人物が老けているメイクのキツイ特撮ヒーローもの。
救いは昨今のTV特撮ヒーローもののような安っぽさがまったくないところかな(ナマ言ってすいません)。
これで〇〇監督の作り出す世界とCLAMP先生の描く世界のコラボが、お二方の魅力がきちんと混ざりあってスクリーンのこちらまでビュッビュッ!ビュッビュッ!溢れ出してくればいいんだけどねぇ。
全然そういうレベルじゃないっていいますかw
映画ホリック xxxHOLiC写真集。今回の企画的には寧ろこちらが本編?!