おつかれさまです。
やっと登場
オープニングの主題歌の映像に出ていた謎のショートカットの美少女、瀬戸茜理ちゃんがやっと登場。もうねぇ第八話ですよ。いままでオープニングを観ながら
「いったい誰なんだ?!」
って感じだったわけですが、ついに今宵その正体が明かされるのです。
物語は
大学の学食で唐突に見知らぬ少女から声をかけられる紙越空魚。少女の名は、瀬戸茜理。紙越空魚に相談があるという。どうやら彼女は空魚のことを霊能力があると勘違いしているらしい。
猫の忍者に襲われているという瀬戸茜理の話は、空魚にとっては有名なネットミームのひとつとして聞いたことのあるものだった。後日、空魚は「共犯者」である仁科鳥子とともに瀬戸茜理から詳しく話を聞くことにした。
とある喫茶店で話をする三人。瀬戸茜理がある日の夜、コンビニの帰り道に猫の集会に出くわす。そこから猫そして猫の忍者につきまとわれるようになったという。
話の最中、唐突に姿を現す猫の忍者。襲い掛かる猫の忍者から慌てて逃げだした三人は猫の街と思しきところへ紛れ込んでしまう。猫の街で再び猫の忍者に襲われる空魚たち。しかしながら猫の忍者にはまったく攻撃が効かない。猫の忍者は存在自体が裏世界と表世界の中間領域で実体が存在しないのか?
猫の忍者は瀬戸茜理のカバンを漁っている。何かを探しているようだ。空魚が右目で瀬戸茜理を見ると彼女の体内に何かがある。空魚は鳥子の左手を使ってそれを取り出してみると猫の形をした御守りだ。猫の忍者はこれを探していたのだろう。
空魚が御守りを彼方に放り投げると猫の忍者はそれを追いかけて消えていった。
安心したのも束の間、空魚たちは白猫の集団に取り囲まれていた。白猫に覆いかぶさられた瞬間、彼女たち三人は表世界に帰還していた。瀬戸茜理に御守りについて訊いてみると、かつて家庭教師だった、閏間冴月という人物からもらったものだという。
猫の忍者
劇中で紙越空魚も語っていたけれども可愛かったら困るよね、猫の忍者。まぁ実際には
「何だよそれ?!」
ってレベルの容姿なんですが、猫の忍者ってフレーズには夢があるね。キャッチーな響きでもある。
だがしかし
猫の忍者は有名なネットミームらしい。というか毎度そんな感じだよね。なんでもネットミーム、ネットミームいえば良いってもんじゃないよ、ほんと。いやそういう物語なんだ。そこ否定しちゃうと話が進まんでしょってのはあるんだけど、今回もいつもながらの投げっぱなし。
結局、猫の忍者とはなんだったのかわからないまま。登場人物に恨みつらみのある類の話じゃないから襲われても逃げきれても、そこに説得力はない。通り魔的な怖さ、不気味さを伝えたいのかもしれない、ってそんな話でもないだろう。
そもそも
「これは、なんなんだ」
ってところがいつも欠けてるんだよね。何も解決しないし答えも用意されていない。毎回、大騒ぎのわりにノーダメージ。そして怪異の追及もしない。
それでも
面白いところもある。話の本筋の方じゃなくて小桜邸に届いた「たばこ作業管理車AP-1」のくだりとかね。いや、のちのちAP-1が大活躍するのかもしれないけど。
大人の事情?
原作の方は未読なのでわからないのだけれど、TVアニメ版裏世界ピクニックの退屈さ(失礼!)ってのは物語の進展のなさ、まったく何も解決しないまま、いや日常というものはそんなに毎度毎度明快な着地点の見えるものではないけれど、だからこそ人は物語に惹かれるわけで(そんなオーバーな話か?)。
ズバリ言ってしまうとTVアニメ版裏世界ピクニックは作品として澱んでいるっていうのかな。一般の視聴者には理解しがたい流れ、澱みっていうのが演出ならばいいんだけど、諸般の事情で熱量のある作画でもなく、散りばめられた謎に引き込まれるような脚本でもなく、人気のある原作がありながら、その知名度に頼っているだけの作品になっちゃってるのがもったいないと思うんだよね。
原作小説に誘導するのが目的なのかしらんってちょっと思ったけど、このアニメを観て「原作小説おもしろそう」って小説を手に取る人はほとんどいないんじゃないかな(失礼!)。
まぁそれくらいTVアニメの出来としてはよろしくないんじゃないかと。
じゃあなんで観てるんだよ
当然そんなことを思うわけです。現実世界での冴えない女子大生、紙越空魚が裏世界だと少しだけ勇敢になれる。で、戻ってくるとやっぱり冴えない女子大生。
異世界転生ではなくて、あくまで現実の世界の延長線上で揺れている感じってのかな、そこが気になるわけです。
派手で爽快な結末があればいいんだけどね。作品の雰囲気も含めてそっち方向には行かなそう。それでも彼女の前に現れた一筋の光、仁科鳥子との関係、化学反応に期待しちゃうんですよ。
裏世界での成長が表世界の紙越空魚をどう変えていくのか。本当の紙越空魚の気持ちはどこにあるのか。そこだよね。
ただ「リズと青い鳥」みたいに粘っこい(失礼!)いや丁寧な描写はTVアニメに求めちゃいけない感じかな。。。
audible版もリリースされているから原作は人気あるんだろうね。