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「ジョゼと虎と魚たち」を観たので感想とか


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おつかれさまです。

ロマンティックな純愛物語 

ジョゼと虎と魚たち」については原作小説、実写版映画ともに未読・未視聴なので今回のアニメ映画版についてお話をさせていただきます。

アニメとして 

まずね絵が綺麗。作画が丁寧で劇伴もいい。ジョゼ役の清原果耶さんは声優ではなく女優ではあるけど舞台となる大阪府の出身で話し言葉も違和感がない。アニメとして実に丁寧に手堅く作っている印象だったわね。で、それが感動巨編かっていうとまた別の話なんだけど。。。

思いがけないシチュエーション 

崎谷健次郎先生の歌じゃないけれど

 

「愛なんて 思いがけないSITUATION 偶然に堕ちていく二人」

 

ってやつです、はい。

 

主人公である鈴川恒夫(管理人)と山村クミ子(ジョゼ)の偶然の出会いから必然の再会までの物語を描くのがこの映画だと思うのよ。場面はともに車椅子で坂道を転がり落ちてくるジョゼを管理人が受け止めるというシチュエーション。はじめての出会いから紆余曲折を経て再会を果たす、二人の軌跡からオーディエンスは何を見つけられるのかということなのよね。

登場人物 

夢のために留学を志す大学生、鈴川恒夫(管理人)。車椅子生活で思い通りにならない毎日と自身に苛立ちを抱えている山村クミ子(ジョゼ)。ジョゼの祖母で保護者であり恒夫に管理人のアルバイトを斡旋した山村チヅ。恒夫のアルバイト仲間でジョゼと恒夫を見守る松浦隼人と二ノ宮舞。図書館の司書でジョゼのサポートをする岸本花菜。

 

登場人物が基本性善説というか「良い人」ばっかりなんですよ。いや別にそれ悪いことじゃないんだけど物語、映画として観た時に最大の違和感になってしまっているといいますか。別の言い方するとファンタジー感が漂っているのよね。善人だらけの世界ってないからね。いちばん歪んでいるのがジョゼなんだけど、存在としての悪意じゃないしね。

物語とは 

善人だけで映画、物語が成り立つのかっていう話なんですけども実際のところどうでしょう。そこがこの映画の強みでもあり弱みになっている部分だと思うのよね。

 

まぁ強みとしたら汚い世俗(失礼!)から目を背向けての純愛物語っていうことなんですけども逆に弱みとしたら登場人物たちは人間の綺麗な面しか描いていないので、上辺だけをなぞっているようなご都合主義の絵空事に見えてしまうのよね。

物語の軽さ 

まぁそんな大層な話でもないんだけど、この映画が刺さらない人にとって何が足りなかったかというと痛みの描写だと思うのよね。で、今回、痛みの描写ってのは重さね。管理人が交通事故にあった時にジョゼのいたたまれない気持ちっていうのがガツンとこないわけですよ。

 

自分のせいで人が車にはねられた時に人生変わるじゃない?!わりと悪い方にwでもわりとあっさり許されちゃう。人間そんな簡単に「仕方ねぇ」とはならないと思うし、まぁ実際ジョゼも管理人の回復を待って姿を消そうとするんだけどね。。。で、それが悪い方向なのかっていうとそうでもないからガツンとこない。

 

今作のジョゼからは「管理人を失うかもしれない恐怖」ってのをまったく感じないのよね。まぁそれちょっと彼女の障碍者という立ち位置からすると、もうちょっと敏感であってもいいんじゃないかなって気はしたわねぇ。

受け止め方はそれぞれだけど 

まぁ受け止め方は人それぞれでこの映画もわりと人間の暗黒面についてはご想像にお任せというかオーディエンスに投げてるところもあると思うわね。善良な部分に光を当てて、そこから生まれる影の形は観ている人たちに委ねる的な。もっとストレートでいいと思うわよ。想いの強さを描くんであればね。

 

まぁ作中で描かれる恒夫の日常が80年代的な、言ってみたら空々しさは今の現実世界があの頃とは想像もできない方向に進んでいるっていうこともあるし、出会いのきっかけではあるけれど障碍者と健常者という二人の関係は、その属性についてあまり語られることもなかったし。古き良きみたいな描写になっちゃってるのよね。。。

 

仲間がいて、恋人がいて、サポートしてくれる人がいて、夢を追うために歩き出せるっていうキラキラした部分に猛烈にスポットを当ててる。なんだか道徳の教科書を用んでいるようなそんな気分になる映画だったりするわよねぇ。まぁそれは悪いことじゃないんだけどね、「青春映画」って視点では。


アニメ映画『ジョゼと虎と魚たち』ロングPV

このロングPV観たら映画本編観なくてもいいんじゃないってくらい凝縮されてます、はい。

 

原作小説

 

 

原作小説ではなくてあくまで映画のコミカライズ版

 

原作小説のノベライズ版いや映画のノベライズ版だよね?!


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