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2019年度 埼玉県高等学校演劇連盟 西部A地区 秋季地区発表会にお邪魔したわよ 埼玉県立新座柳瀬高等学校 「[hénri]!」 編


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おつかれさまです。

思わず口走るのもわかります

二日目というか秋季地区発表会のトリはこちら新座柳瀬高校さん。幕が降りた後に、近くの席の子が「これを観てしまっては。。。」なんて思わず口走ってしまうほど客席側が舞台の世界に飲み込まれてしまう、一瞬たりとも舞台から目を逸らすことができない、そんな緊張感のある舞台でございました。物語としては愛内里菜さんおっしゃるところの「恋はスリル、ショック、サスペンス」てな風情ではなくてどちらかといえば上品なユーモアセンス溢れる恋模様。ハラハラさせられるよりもそのすれ違いの純情というのかしらね。

登場人物の誰に自分を重ねて舞台を観るか

人によって様々ではあるけれど、きちんとそういう観方ができる舞台を作り上げていらっしゃる。天真爛漫な花売り娘のイライザと高慢ちきな言語学者ヒギンズ、そして優しき貴族の青年フレディーの三角関係の行方。あたくしはねぇヒギンズ先生から目が逸らせなかったのよね。パッと見、女子生徒さんばかりの品の良い舞台だから宝塚的な見方もできるんでしょうけどもあたくしはやっぱりヒギンズ先生の不器用さ、直向きであるが故に素直になれない、素直になるということはどうしたらいいのかわからないヒギンズ先生に注目してしまう。劇中で彼が客席に背を向けるシーンがあるのだけれどあたくしが痺れたのはそこ。まさにそこ。完全に背中で語っているんです。今回の発表会で色々な演劇部さん、生徒さんたちの舞台を拝見させていただいたのだけれど背中で語っていたのはこの新座柳瀬高校さんだけよ。あたくしこれには吃驚。そして感動。どうしても舞台って会話中心になりますでしょ。でも沈黙で語っていたわけこの瞬間のヒギンズ先生は。

言語学者だからって言葉で語るとはかぎらない

言語学者であり言葉を自由に操ることができる彼が、言葉にできない想い、自分の不器用さを噛み締めているのが背中から伝わってくる。もちろんそれは彼を演じている生徒さん一人の力ではなくて、彼が心惹かれていくイライザやストレートに自分を表現できる心優しき青年フレディー、そして彼らをとりまく人々を演じる生徒さんたちみなさんの力でヒギンズ先生の背中からやり場のない想いを舞台上に引き出すことに成功しているのよね。別の言い方をすればヒギンズ先生のそんな姿がイライザの天真爛漫さやフレディーの好青年ぶりを引き出している、この世界の登場人物の相互作用というのかしら。それぞれの魅力を際立たせるのに成功してるのよね。だから客席のあたくしたちもどんどん舞台に引きづりこまれてしまう。舞台に立っているキャラクターに自分の思いを重ねていってしまう。

夢から醒める瞬間に近い感覚

だからこそ幕が降りた瞬間、舞台の世界から現実に戻ってきた瞬間、客席のあたくしたちは夢から醒め「あぁ舞台を観ていたんだっけ。。。」とのめり込み過ぎていた自分自身から舞台への感嘆とともに現実に戻ってくる。映画と違って生の舞台っていうのはこういうのがあるから怖いのよね、いやもちろん良い意味でですけども。手名町先生と思しきイラストの可愛らしさと裏腹に客席のオーディエンスをその世界に引き込む力強さ、新座柳瀬高校演劇部さんには感服いたしました。流石SNSでガンガンにアピールしているだけはあります。外の世界に打って出る、さらなる高みを目指そうとする強い意志、舞台にかける気概を感ぜずにはいられないそんな舞台でございました、はい。

気になったところとか

後日談じゃないけれど台風で新座柳瀬高校さんの文化祭が中止になって演劇部文化祭公演もなくなってしまったのがとっても残念だったわね。あと手名町先生作と思われる公式グッズの行方も密かにというかかなり気になりましたw

 

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